日常。(11)

日常。(第11話)

mina

小説

1,181文字

その人の背中にはまるで天を目指しているような蒼い龍がいた

 

「背中‥」

「えっ?」

「気になるか?」

「あ‥」

「随分長いこと背中洗ってるなって思ってな‥」

「 ‥ 」

こういうお客様は別にめずらしくなかった

「昔‥これ入れるときな、」

「 ‥ 」

「龍が好きで、ほんでどうしても青い色が良

くってなぁ‥でも青い龍が良かったんだけ

ど、蒼い龍になってしまってな」

「 ? 」

「意味わからんだろうけど」

そう言っておじさんは笑った

「初めて見るワケじゃないやろ?こういうおっさん」

「 ‥ 」

そのおじさんは標準語と方言が混ざった喋り方をしていて、それでいて何だか妙に落ち着いていて‥何となく怖かった

背中の蒼い龍はただ、綺麗だった

「お前どれくらいやってんだ、この仕事」

「2年ぐらいかな‥」

「けっこう長いな、借金か?」

「 ‥ 」

「言いたくないよなぁ、こんなおっさんには‥どうでもいいんだけどな、そんなことはな」

おじさんは急に私の腕を強く掴んだ

「お前、この龍が気に入ったんやろ?」

「 ‥ 」

正直、泣きそうだった

両手を凄い力で掴まれて、体を押さえ込まれ

た。こういうとき自分が女であるということ

を思い知らされる

「肌が柔らかいなぁ」

おじさんは私の胸の間に顔をしばらく埋めていた

「 ‥ 」

そのうち私の両腕を掴んでいた、おじさんの

手の力も弱まってきて‥私は私の上にあるお

じさんの背中を触った

目で見えなくても、そこに龍があるというこ

とが解る

「よっぽど俺の龍が気に入ったみたいやな」

「だって、蒼くて綺麗だったから」

「 ‥ 」

 

おじさんの激しい愛撫が始まった

 

「んっ‥」

激しくて痛いけど、おじさんの愛撫は何とな

く優しかった

耳から首筋、鎖骨から胸、乳首、脇の下‥ベ

ロベロ舐められた

「気持ちいいか?」

「‥うん‥」

おじさんは私の下の方も舐め始めた

「あっ‥」

すごく気持ちよかった

自分でオナニーしてる時の指の動きとおじさ

んの舌づかいがソックリで私は何回もイキそ

うになった

「あっ‥ん‥いやっ‥」

「もっと気持ちよくさせてやろうか?」

おじさんの指が私の中に入った

「潮吹かせたろ」

おじさんの指は私の気持ちがいい所を探し出して‥

そこを激しく攻めた

「いやっ!あっ‥」

「気持ちいいやろ?」

「イッちゃうよっ!」

「おら、イケよ!早くっ!」

「いやぁぁ‥」

 

たくさん私の中から液体が出てきた

「すごいな、おもらししたみたいやな」

「 ‥ 」

ものすごく恥ずかしかった

おじさんは満足そうに笑ってた

 

「今度はお前が俺をイカせてくれ」

「はい‥」

おじさんは私にそう言って、私にずっとフェラチオをさせた

「 ‥ 」

不思議と辛くなかった

おじさんは私の口の中でイッた

「気持ちいいなぁ、お前のフェラチオ」

頭を軽く撫でられた

 

その人の背中にはまるで天を目指しているような蒼い龍がいた

初めからその背中の蒼い龍に私はヤラれてい

たのかも知れない

end

 

2014年7月22日公開

作品集『日常。』第11話 (全70話)

© 2014 mina

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