基地外詩　「性教育テレビ」（または「性を消費せよ」）　2015.8.29

君は知っているね

今日ポルノを取り締まりやがったあの警官が家じゃペニスをしごいてやがる
今日売春者を罵ったあのババアが家じゃバイブにまたがってる
今日子供からエロ本を取り上げやがったあのクソ親父はどうやって子供を作った？
今日”性の崩壊”だの叫びやがったあのバカ議員が同じ口で子供を産めだとよ
今日民族の純潔を訴えたあの右翼がレンタル屋でブロンド外人のAVを凝視してたのを知ってるぜ

怒りたい
憎しみたい
だが抑えてやろう
性はやはり皆のものだ
性を掻き消して子供がオギャアと生まれるだけの出来事に限定したがる
そんなあのアホどもにさえも性はあるのだ
あくまで自由を叫び続けようじゃないか
奴等が一日に千の性を潰すなら俺達は一日に一万の性を作ろうじゃないか

同性愛

国際恋愛
小児性愛
獣愛
架空愛
無機物愛

うん

全て良し

誓うのはお互いに差別しない事だけだ
我々が性や表現を楽しめるのは
交流と多様性のおかげなのだから
その交流と多様性を破壊しようとする保守派と戦っていこう

我々が個人及び個人間において選択・表現・性を自由に行えるということ

そして社会がそれを尊ぶと言うこと
それを示すために一番分りやすいメディアとしてテレビを選ぼう
一日中あらゆる性を流し続ける放送を
一日中誰が見ても何かしら楽しめる平等な放送を

ラジオじゃ音だけでちょっと寂しい
ネットはみんな既に好き勝手にやってるし年寄りに優しくない
雑誌は動かないしどこでも売ってるわけじゃない
テレビさ

その名は性教育テレビ！
チャンネルを回せ！

君の家でも俺の家でも
全ての人のあらゆる性を喜ばしく示すために
モザイクなんか剥がしてしまえ
年齢制限？何の必要が？

若い男向けの性表現だけが全てではない
女性向けの性表現を
老人向けに見やすい性表現を
同性愛者のために差別を倒す性表現を
架空の人々が好きな人のためにアニメや二次創作の性表現を
小児性愛者のために裸の子供が戯れる平和な映像を
動物と交わりたい人のために動物の感動的な交尾映像を
在日人やハーフのために海外の性表現を
障害者のために手話や副音声のついた性表現を
青少年たちのために性教育や良質な古典ポルノの映像を
全ての人のために全ての性を

番組表が24時間だなんて誰が決めたんだ
48時間周期でも72時間周期でも
人の性の赴くところ全てを示せるための時間を

ああ
全ての人が全ての性を楽しめるようになれば良い
全ての人が全ての性を安価や無料に消費できるようになれば良い

全ての人の性の前に
差別は破壊されるだろう
自殺者は減るだろう
みんな次々に娯楽を生み出すだろう
一番わかりやすい自由じゃないか

同性愛者とその表現を差別していた者は明日には恥となる
障害者の性を隠していた者は明日には障害者の性の発散に踏み倒される
青少年の性を弾圧していた者は明日には青少年の若き肉体に圧倒される

無数の人間が一度に悪法を破れば
解放の日はすぐそこだ

全ての人の性に祝福あれ！