約10万点のデジタル資料がアーカイブされているGetty Research Portalはリニューアルを行った。主な変更点は下記の通り。どれも画期的な機能というわけではないが、デジタルアーカイブとしての機能は向上するだろう。

  • デジタル化されたテキストそれぞれに固有のページを作成(リンク共有&検索エンジン対策)
  • レスポンシブWebデザインを導入(スマホやタブレットでも閲覧しやすく)
  • 日付、言語などのフィルタを導入

特に重要なのが個々の資料に関するテキスト(目録にあたるもの)にURLができたこと。これによりURLを共有できるほか、Googleなどの検索エンジンが該当するページをインデックスできることになる。

Getty Research Portalに限らず、幾つかの重要なデジタルアーカイブは何年も前から存在しているが、それが分断されているのが現状だ。少し前なら古い地図を見たいと思ったらFlickrで”old map”と検索すると便利だったのだが、「Aを探すならBでCと検索」というアクションを知っていなければ見つけることができなかった。今回のGetty Research Portalにおけるリニューアルのように、少しずつ知的資産が融合されていけば、Googleに「Johann Wolfgang von Goetheがはじめて買った本は?」と検索するだけで、該当する本のデジタル版が見つかるようになるだろう。

最近ではCiNiiなどの論文検索ポータルも検索性能を向上させており、人類が脈々と築き上げた叡智へのアクセスがどんどん簡単になっている。アクセシビリティへの注目が集まる昨今、この傾向は続くだろう。以前は「辿り着けないバカが悪い」とふんぞり返っていられた図書館・美術館も、それらがいかに便利で有用かを訴えなければ存続できない時代になったのだ。