ニュースサイトとはいえ破滅派ですので、厳格なルールがあるわけではありません。ただ、ニュース記事とエセーやコラムとの違いについてはしっかり認識しておいたほうがアクセスは伸びるかと思います。

ニュース記事は不特定多数に向けて情報伝達するための文章であり、エセーやコラムのような自己表現のための文章とは根本的に目的が異なります。うっかり文芸的な文章と同じ感覚でニュース記事を書いてしまうと、「お前の話なんか知らねえよ」と見切られてしまい、なかなか最後まで読んでもらえません。

そこで、以下のような点を考慮したうえで執筆していただくのがおすすめです。

本文の基本構成

ニュース記事本文の基本的な構成は以下のとおりです。

  1. 事実の提示
  2. 補足情報
  3. 筆者の感想・まとめ等

ひとつずつ説明していきます。

事実の提示

ニュース記事の原則は、第1段落で単刀直入に事実を提示することです。これがエセーやコラムであれば、少々もったいつけた前置きを書いたほうがお洒落っぽい文章になったりフックになったりもしますが、ことニュース記事においてはノイズでしかありません。

なぜならニュース記事の読者は、あなたというライターの個性に惹かれてリンクを踏んだわけではなく、記事タイトルに惹かれて訪れてきた人がほとんどだからです。たとえあなたが目も眩むような腰も砕けるような美しい文体の使い手だったとしても、読者の欲している情報がなければニュースとしての価値はありません。

そこで心がけたいのは、最初の段落だけを読めばニュースの概要が伝わるようにすることです。細かい解説は後回しにして、とりあえず事実と結論だけを書きましょう。

たとえば夏目漱石に関するニュースを書く場合、漱石がどんな人物でどんな作品を残してどんな影響を後世に与えたのかといったような情報は、ここでは不要です。漱石にまったく興味のない人はそもそもリンクを踏まないのですから。

補足情報

では、第1段落で紹介した情報や固有名詞についてくわしく解説したい場合はどこで書けばいいのでしょうか? それは第2段落以降です。作家の略歴であったり文学館の特徴であったり法令の詳細であったりといった情報は、補足情報としてつらつら書いていけばよいのです。

どうしても書きたいのであれば、コラムにおける前置きに当たるような詩的な表現を使ったって構いません。最初の段落でニュースの概要を先に提示しておけば、多少冗長な文章であっても案外読んでもらえるものです。

気をつけたい点としては、適宜改行を入れることぐらいでしょうか。「ウェブ小説にありがちな無駄に改行の多い文章が俺は嫌いなんだ!」というこだわりのある人も、ここは心を殺して改行を多用していきましょう。たくさんの人に読んでもらうには、読みやすい書き方をすることが不可欠です。

筆者の見解・まとめ

「それでも俺は自己主張をしたいんだ!」という人は最後におもいっきり書いてください。

冒頭からいきなり個人の感想や実体験にもとづくエピソードなどを書かれると「お前のことなんか知らねえよ」と読者は軽く引きますが、きちんと事実を積み重ねたうえで最後に添えるのであれば、悪印象につながることはめったにありません。

むしろ独自取材したわけでもないトピックについては、なんの見解も添えないようではコンテンツとしての価値が生まれません。たとえば芥川賞・直木賞の受賞作決定のニュースなんて、どこの新聞にだって掲載されるわけです。情報量では大手メディアに到底敵わないでしょう。しかしオリジナリティ溢れる独自見解があれば、それははめにゅーだけのコンテンツに生まれ変わります

すべてのニュース記事に筆者の見解が必要だというわけではありませんが、メジャーなニュースを扱う場合には添えたほうが評価は高くなります。

独創的な文章が書けるのであれば自由

もちろん、構成など関係なく読者を引き込めるような筆力を持っているという自信があるのであれば、上記の限りではありません。この構成を守っていないからといって、それだけを理由に記事の公開を拒否することはないです。

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