政治活動とは、お洒落なものである。その4。差別のこと。

千本松由季

評論

6,785文字

今、私にできることは、ここカナダの事情を伝えることである。外からしか分からない、日本にはびこる差別意識に気づいてもらえたらいいなと思う。

今の文士は政治発言をしない。昔のインテリ作家は三島由紀夫をはじめ、なんやかんやと、東大紛争とか、なんらかの政治活動をするのが当たり前だった。この「破滅派」でさえ真面目に政治発言をする人は限られる。そもそも「破滅派」のサブカテゴリーには「政治」という項目がない。

『政治活動とは、お洒落なものである』

その1 イントロダクション

その2 ファイザーとコンビニ陰謀説

その3 極悪非道な日本の生活保護

 

先日、日本に住んでいる姉との電話で私が、我々の弟がいかに外面が良くてクズでサイコパスであるかについて熱心に語っていたら、姉に弟もおかしいけど、あんたもおかしいと言われた。攻撃的になっているんだと思う。『政治活動とは、お洒落なものである。その3』もかなり支離滅裂だった。今日はその辺を反省しつつ、読者の皆様に説得力を持って語ろうと思う。

 

初めてコメントをいただいた。ツイッターで「国内にいては気づけないことを教えてもらった」と言ってくださった方がいた。一人でもちゃんと読んでくれて嬉しかった。

 

本題です。ここでは、前回に引き続き、ホームレス、生活保護について考えたい。まず、この二つの関係ない事柄が一緒に語られていることが問題だ。二つは全く別であり、対応も対処法も違うし、当事者同士も同じではないと感じているに違いない。私は生活保護を貰っているけれど、ホームレス問題とは丸っきり違う立場にいると思う。優劣をつけるつもりは全くない。違うだけである。

 

まず、ユーチューバーDaiGoがぶちかましてくれた発言の中で、私が一番気になったところ。画像が削除されているため、記憶で書いてみる。彼は「生活保護を与えるのは、その人達がお金がなくて犯罪者になって、自分達に危害を及ぼすことを防ぐため」だとしている。

 

だったら私ってなに? 自分が暗い街の地下に徘徊するドブネズミになったような気がする。隙あらば金持達を襲撃しようとする、社会の底辺のいない方がいい生物である。最低限の餌をまいて、自分達に被害を与えないようにしているけどほんとはいなくなって欲しいんだそうだ。言葉通りじゃないけど、まあそんなようなことを聞いた。

 

日本人のなにがおかしいかと言うと、生活保護と聞くと、目にも見えない超速球で必ず、不正受給者の問題にすり替わる。それはどんな人達か、どうやって不正に受給しているか、と説明し、糾弾し、自分達の税金がそういう輩に流れている、とヒステリックに主張する。

 

どうやって不正に受給しているかを、非常に差別的な、作るのに手間と金が相当かかっただろうと思われるアニメで描いた、長々としたYouTubeを観た。なんでそうなんの? なんでみんなそんなことにだけ興味があるの? それやって誰が得するの? 不正受給者を吊るし上げるより先に、日本のお粗末な生活保護の実態に目を向けるべきじゃないの? 生活保護の問題に関しては前回ちゃんと書いたので、ぜひ読んでみてください。

 

今日の結論をここで言うと、政府はオリンピックで捨てられた、余分な弁当を作るために1億円以上の金を無駄にできるんだから、まず本年度の予算を3兆円にして、それを使ってスペシャリストを育てる。公務員として優遇すれば、相当優秀な人材を得られるだろう。問題を抱える人に、常に3人の担当が付くように計算する。低所得者、精神障害、依存症、人権、移民、難民等、全ての問題に精通し、そして国外の例を研究させた、プロフェッショナルなスタッフである。これは冗談でも理想論でもなく、現実的な提案だ。

 

話は変わります。数多く発表されたDaiGo事件についての記事。その中で一番まとまっていると思う朝日新聞デジタルの記事を貼っておくので、ぜひ読んでみてください。これだけ宣伝して、知名度が上がって、彼は得してると思うけど。

 

朝日新聞デジタル

「生活困窮者を間接的に死へ…」 差別発言に感じた恐怖
編集委員・清川卓史2021年8月17日 12時00分

https://www.asahi.com/articles/ASP8J639BP8JULZU00B.html

 

メンタリストDaiGoのSNSアカウントの停止を求める署名。Change.org

まだ数が少なくて、署名は簡単なので、やってみてください。

 

ああいう公共の場で、ああいう発言をするDaiGoのような人になにをしても、その差別意識は変わらないと思う。本人が努力してもやっぱり変わらなくて、本心、本音、としてそれが残る。何十年経っても変われないと思う。死ぬ間際にも、やっぱり私のような精神病で生活保護受給者は死んだ方がいいと思うと思う。あれに追随する人達もやっぱり変われないだろう。普段は呑気な性善説で生きている私だが、日本人の本音としての差別意識には救いようのない諦めを感じる。

 

DaiGoが黒いスーツに黒いネクタイで登場した謝罪動画をパッと見て、私は、ああ、この人は嘘をつける人間なんだな、って思った。数日前の発言を本気で撤回できるわけがない。彼は生活保護をもらう可能性があった自分の母親のことを思い出した、生活保護受給者に関する自分の発言を取り消したい、ようなことを言って泣いた。じゃあ、自分の母親に起こったことなら理解できるの? 私にはそう聞こえた。じゃあ私はなんなの?

 

結局悪いけど、これが多くの人の本音なんだな。生活保護受給者から財産を奪い、最低限の餌をまき、ホームレスに対する援助をする前に、ベンチに彼等が横になれないように真ん中に手すりを付けるような仕掛けをする。そんなことにお金をかけるなんて。誰かが止めないといけなかった。なぜ止めなかった? 日本の歴史上最悪の部類に入る恥部だ。あんまり馬鹿馬鹿しくて、と言うより残酷で、こんなこと誰にも言えない。

 

じゃあ、こういうシナリオを出してみよう。これは実際に起こったことを脚色している。貴方はコンピューター関連の会社を作り、2、3年経って会社も伸びて、ここでぜひ優秀な人材を雇いたい、と思っているとする。そこへ一流大学を卒業した、コンピューターの知識も半端じゃない若者が面接に現れたとする。こんな素晴らしい人がこの会社に来てくれるなんて、と興奮しつつ、雇用契約をするために彼に後日、身分証とハンコ(今でもハンコって使われてるの?)を持って来てと言う。そしてまた来てくれた彼がもし、韓国のパスポートを差し出したら、貴方は彼を雇いますか?

 

韓国籍の彼は日本で生まれ育ったのであり、能力には全く問題がない。実際の話では、間に人格者が入って会社を説得し、無事に雇用された。でも、世の中にそういうことって少ないと思う。この話に出て来る若者は、韓国のパスポートを持って職探しをして、あちこちの会社に断られたのだと思う。

 

ある韓国籍で暴力団に入った男性のドキュメンタリーを観たことがある。彼は児童養護施設で育ち、成人した時、自分のような人間が、ある意味、社会的な、そして金銭的な成功をしたいと考えたら、暴力団に入るしか選択の余地はない、と悟ったと。

 

彼は、日本の人種差別の結果、犯罪組織に加わったのである。DaiGoが言ったような、生活保護受給者がお金がないことによって犯罪を起こし、自分に被害が及ばないようにするために金を出す、という下らない意見とは関係ない。もっと根深い日本の人種差別という汚点があるのだ。暴力団に入るしかないように国民が仕向けているということに気が付かない。差別意識が犯罪を作り出している。貧困の問題だけではない。

 

ついでに言うと、生活保護を受けている私が、もし食えなくなっても、犯罪は犯さない。死んだ気になってバイトを探す。それが実際に私のとった行動だ。仕事がなくても、銀行と交渉し、ドクターに説明し、なんらかの機関で援助を貰えるように努力する。クズな弟がやってるみたいに、年を取った両親から一銭も貰うつもりはない。行動のみ。生活保護受給者が犯罪に走るという差別的であほらしいことが、彼の頭のどっから湧いてきたのか分からない。

 

それから、依存症についての話だが、アルコール依存症、ギャンブル依存症、薬物依存症、その他の依存症というのは遺伝子と関係がある。目の前にあるグラスに入ったアルコールに手を出さないために、依存症のない人より3000倍

の努力をしないといけない。そんな人を非難できますか? 専門家を付けて、長くコツコツした地道な治療を受けさせる。それだけの話だ。

 

オリンピックで来日したウガンダ選手、ジュリアス・セチトレコ氏のこと。空港で彼が祖国へ帰されるところをニュースで見た。私は非常に驚いた。当然、誰かがスポンサーになって彼を引き取るもんだと100%信じていた。オリンピックには出場してなかったけど、その可能性があったほどの選手である。当然日本社会にも必要だと思われる人材である。しかもあれだけ日本にいたかったのであるから。

 

もし、こっちであんなことが起こったら、国が助けようとするだろうし、彼を引き取りたいという民間人も殺到するだろう。優秀な人材が欲しいということもあるだろうし、同情もあるだろう。

 

その後、ミャンマーのサッカー選手が難民として日本に残ることが決まった。この人の場合、自国に帰ると政治的な理由で命の危険がある、と判断されたらしい。それはよかったな、と思った。

 

カンボジア難民だった人と働いたことがある。聞いた話では、カナダには民間で難民のスポンサーをする制度がある。なにをしているかというと、難民の家族を呼び寄せて、住む所を与え、職探しを支援し、子供達を学校に放り込み、その家族が自立できるようになるまで、面倒をみる。彼等はどんな仕事にもつけるし、どんな学校へも入れる。普通のカナダ人と同じチャンスがある。認められれば市民権を与えられる。それにかかった費用は、難民の家族が返済してもいいけど、返済しなくてもいい。それがスポンサー制度である。

 

カナダの法律を説明してみる。日本は二重国籍を認めていない、世界でも珍しい国である。私は日本国民であり、日本のパスポートを持っている。カナダ移民としてこの国でできないのは、警察や軍隊の幹部になれないことと、選挙権がないこと。それ以外のありとあらゆることはカナダ国民と同じであり、差別を受けると、それにみんなで文句を言う。

 

あんまり日本人の悪口ばっかり書くのもなんだから言うけど、カナダに多いドイツ系の人々に関する噂話を聞いたことがある。ドイツは第二次世界大戦における戦争責任を正式に認め、謝罪したが、本当に悪かったとか反省とかはしてなくて、今でも人種差別的なのが多いが、しかし、年を取って施設に入れられて、フィリピンから来た看護人におしめを取り替えてもらって優しくしてもらって、そして最期に彼女達に感謝をしながら死んで行くんだって。いい話ではある。

 

かつて私にはウクライナ系の夫がいて、彼等はいまだに差別を受けている側だから、私は非常によくしてもらった。しかし、日本人の知り合いの夫はアイルランド系で、彼の親はとうとう死ぬまで一度も自分の孫の顔を見に来なかったらしい。そういうことはある。

 

私は人種差別されても気づかずに、他の人に教えてもらうことがある。でもさ、意地悪されても、それが人種差別かどうなのか、ほんとのところは分からない。この件は長くなるから言及しないけど、結局、人種差別してるのは、証拠もないのに人種差別されたと思ってる本人なんだよね。これが私の結論。

 

カナダには逆差別ということもある。カルガリーは保守的な場所で、住んでいるのも白人が多いから、私が働いている店のマネージャーが、大きい店だから7人もいるけど、全員白人だ。だけど、キャッシャーとか目につく場所には白人以外を置こう、と努力する。そうしないと客に文句を言われる。企業としても見た目が悪い。本社はテキサスにある。人種差別の多い土地だと思う。まあだから私が雇われたということもあるんだけど、まあしかし、私には10年以上カナダでカスタマーサービスをやってきて、どんな客にも対応できるという能力はある。白人の中にはそれが逆差別である、と騒ぐ人がいる。なぜ私みたいな人が雇われて、自分には仕事がないのか、と。こっちにもそういうごたごたはある。

 

これだけ長くなってもうしょうがないから一言付け加えると、ここはカナダである。アメリカとは違う。人種差別に耐えられなくて、とか、健康保険制度が発達しているから、という理由で、アメリカから移民して来る人々でさえ驚く程いる。カナダは日本と同じで、普通に生活をしていて銃を見るということがまずない。見るとしたら政府の庁舎内で、そこに行くと必ず立派な額に入れられた、エリザベス女王の写真が掛かっている。ここはイギリス連邦で、我々のボスはエリザベス女王である。彼女はカナダの20ドル札になっている。女王はとても尊敬されている。私から見ても、自分の言葉で話し、自分の意志で行動できる、大した人だと思う。

 

カナダでも移民を受け入れない白人だけの古い村は、大金を持ってビジネスを持って来る移民を受け入れない街は、いつまで経っても貧しいのだそうだ。逆にある街の女性政治家が世界中の企業に、税金を安くするからこの街に工場を作ってくれ、と頼んで回り、海外から産業と労働力を輸入し、失業者が無くなり非常に豊かになったという有名な事例もある。

 

こないだ、日本で夫婦別姓がまだ認められていないということを知って、結構びっくりした。そんな些細なことで裁判をやってるのは時間の無駄以外のなにものでもない。さっさと法律を変えるべきだ。こっちでは最近、自分の苗字と配偶者の苗字をハイフンで繋いで長くするのが格好いいと思って流行っている。好きにできるのである。

 

虐めの問題。これも人権問題よね。先生の対応とか、戦前くらいから変わってないんじゃない? 昨日のニュースで、虐めで自殺した生徒の親が先生に「死んだ1人の生徒のために、虐めていた10人の生徒の一生を台無しにしていいのか」みたいなことを言われたそうである。そんなやつはギロチン台に乗せて、その10人と一緒に、さっさと殺して燃やした方がいい。変われないから。ああいう人達にいくら説明しても。

 

私は東京生まれで親の関係で北陸で育ったんだけど、絶対に彼等の強い方言を喋ることを拒否した私は、虐められた。彼等のことを、もうどうでもいいや、と思えるようになったのは、つい最近だ。今でも世間では虐められて自殺したりなんだりしてるけど、ああいう子は早く転校なり、退学なりさせないといけない。強く勧める。あっちは変われないんだから、逃げるが勝ち。虐めって、脳に損傷を与えるらしい。一生の傷になる。私は学校から家に帰ると、今度はきょうだいに虐められたから、逃げ場所はないし、もう立ち直れないような傷になってる。自分が悪いと思ってた。親にも言えなかった。今は姉とは仲がいい。姉は努力して自分を変えた。弟は相変わらずクズだけど。

 

最後に言うけど、私が子供の時、多分NHKのテレビインタビューに、白人の女性、多分40才くらいの学者が出ていた。彼女が日本の捕鯨に反対する人達について述べた。私はその人は外国人だから、当然捕鯨に反対の意見をすると思って観ていた。そしたら驚いたことに「人々が捕鯨に反対する時に、クジラは頭がいいから殺すのは可哀そうである、そして知能が低い牛や豚なら殺してもいいとする。それは非常に危険な思想に繋がる恐れがある」と言っていた。私はその後、その言葉を忘れないで、なにかあったら必ずその言葉を思い出した。

 

いつまでも彼のことをずるずる引きずるけど、DaiGoの意見は多くの人が指摘するように、優生思想に発展する可能性がある。育っていく過程の中で一時期、優生思想的な考えを持つことはあるかも知れない。私は彼の見た目が可愛らしいから、20才ちょい過ぎくらいだ、って思ってたのだが、もう34才であると知って驚いた。さっきも書いたけど、彼は変われないと思う。努力してる振りは上手くできると思う。

 

私の姉みたいに変われた人もいるけど。彼女は小さい時から学校の勉強をし過ぎて頭がいかれてたけど、自分の考えを変えるために、なんだかよく知らないけど、神社仏閣について、深く研究したらしい。今でも勉強は好きみたいだ。

 

また落ちはないな。長くなってごめんね。こんだけ言いたいことが溜まっている人間も異様だよね。日本を出て正解だったけど、郷愁もあって、それは一生無くならない。

2021年8月22日公開

© 2021 千本松由季

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

---

"政治活動とは、お洒落なものである。その4。差別のこと。"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る