猫に関する即興エセー(第2話)

山谷感人

エセー

734文字

ロックと猫と儚さに包まれて。

他界した子供の年齢を数える、とした風習が日本にはある。判る、先に逝った先人や友人を憶う事も僕レヴェルでも多々ある。然し、最近は僕の中では基準が変わってきた。
ウチの、愛してやまない猫は、今年の六月で三歳になる。昨夜、AC/DCのプロモーション映像をスマホで流していたら、それをヂッと見てアンガス・ヤングのギターソロの時は、画面をタッチする程である。放題では『地獄の鐘』なる曲。十三回、ヘヴィローテーションしてしまった。微笑ましい故。一緒にサビは唄おうね、に対しては悲しいかな、動物の限界なのかゴロゴロと喉を鳴らしながらニャーと云うだけであるが。
十五年くらい前に、僕は往時から遊民として一部では著名であって「他界したい」なる相談を或るガールからされた。ハナシを聞いたら複雑な環境であった。
諸々なる論議をしたが最後は当方、AC/DCを聴きながら鯨飲していた故「勝手にしなよ! それもロックだ」と述べて通話を終わらせた。それから、ガールよりテレフォンは無かった。生きているか、どうかは判らないが苦い、追憶だ。
逆算して。愛猫が三歳であるから、平均寿命として残り、十二年はある。僕は、彼女(雌猫)より先に他界しないと誓い、生まれ消えたかも識れぬ子供の歳を数えなく、それまでは生きないとなあ、生まれた時は違えども、他界する箇所は同じだぜ……、と桃園の誓いみたいなフレーズを念仏のように唱え、十二年な! とキッスし本日も元気にガールズと戯れに行くので、あった。遊民の定めなので。
待たせたね。ガールズ、遭いに行くぜ。愛猫よ、君のパートナーは、どれだけ外出先、巷で醜態を演じても必ず、他界するまで帰ってくるから。
故に、死ぬ気で常に甘えて、僕を鼓舞して、おくれ。サンクス、ハニー、愛しているよ。

2021年3月5日公開

作品集『猫に関する即興エセー』最新話 (全2話)

© 2021 山谷感人

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