夢のガールズ・ガールズ・ガールズ

山谷感人

エセー

1,340文字

実際に体験したショート怪談。

明晰夢。
僕は所謂、生活力無能者な故、酒を呑んでいるか、読書をしているか、ガールズと遊んでいるか、寝ているか、の時間が多い。諸々なツテでのお労務、ちょろっとした郷土史関係の仕事で金銭が入っても右から左で散財をばす。ワイフから殴られても変わらない。そうした定めなのである。遊民の血が流れている。
寝ていると、アルコールで睡眠が浅いので冒頭に提示したよふに僕は明晰夢のプロである。それは現実にも繋がりがある。
例えば、僕は全く興味がなく五年ほど彼等の音信も識らないセックス・ジャパンの夢を見た事がある。何故、そうしたモノが出て来たのだろふな……と蒲団から起き上がりポストに入っている某スポーツ紙を拡げたら「ヨシキさん、人生を語る」なるコラムが目に入ってきた。こうした事は週に四度くらい昔から有る。最近は伊東四朗ヴァージョンであった。
さて、先日に見た夢は著名人ではないが、これも現実とコラボレーションし、ちょっとした怪談じみていた。
夢の中で僕はトイレットに行き放尿していた。僕は少し便器を外れて水滴を少し床に溢した。そうしたら嗤い声が聞こえ後ろを向くとポンチ画の「恐怖新聞」に出てくるようなガールが僕をヂッと眺めていた。此方は震え戦き「何しているんだよ! ここは男子トイレットだぜ」と、まあ夢の中だから小学生みたいな文学的ではない台詞で叫んだ。ガールは「床に漏らしたね。赦さないよ」と叫び始めた。

そこで一度、目覚めて茶を飲みに行こうとしたらワイフが「今日、ヤバいんじゃない」と述べた。午前二時。僕は明晰夢の遣り過ぎか、良く金縛りになる癖が有って彼女に「譫言を睡眠中、呟いていたら起こせ」と言明していた。まあ科学的に云うと、遊民の身体を余り動かしていない結果、でしか非ずなのだけれども。
そうして二度寝。
また、その女性が夢に出て来て「掃除しろよ、掃除しろよ……」とトイレットにて迫る。僕は開き直り「ガール! ここは男子トイレットだ。おかしい。ストーカーかよ。警察に連れて行くぜ」と返答した。何度も云うが夢の中での出来事な故、全て会話は陳腐であった。
やがて、それでもケタケタ嗤いながらトイレット! と繰り返すガールを引きずってポリスへと到着し「君の名は? 君の名は?」と、両津みたいな交番勤務と問い詰めていたトコロで、愛猫が「腹減った」とした感じでニャー・ギャアと覚醒を求めて、二度寝から醒めた午前五時。

二日後、僕はその夢の事はすっかり忘れていた。昼に千々石ミゲルに就いての会合でJRに乗って移動する用事があった。
改札を過ぎ新幹線用に整えられたナガサキ駅の、ホームへ向かう階段を登っていたら上から女子高生が二人、降りてきた。僕は幼女には興味がないので顔を見なかったが、すれ違い様「タガタ、キョウコ、だよ」と囁かれた。僕は、そのガールの顔を見た。ニャッとして見つめられた。ああ、夢で見たトイレットのヤツと顔が同じだ、と感じた。
ガールが、連れの相手に名を呟いただけなのか、明晰夢の続きで僕に訴えてきた怪談じみたモノか、前夜、モトリー・クルーの「ガールズ・ガールズ・ガールズ」を聴いて泥酔した故なのか……、それは今後、また夢で彼女に逢うまで結論は持ち越そうと、思った。
但し、当然であるが、僕はそれを愉しんでいる。

2021年3月2日公開

© 2021 山谷感人

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