時間を巻き戻そうとした国

応募作品

lantan2015

エセー

2,922文字

この国は破滅してるのに現実を見ずにノスタルジーに逃げ込んだ絶望国家です。

皆さんはバブル崩壊、金融危機、リーマンショック、東日本大震災とまさに日本と言う国が頂点から崩壊に行く歴史を見たという生き証人なわけです。私もそうです。そして今回コロナショックという歴史を見てるわけです。

 

そんな中で東京オリンピック2020という「東京オリンピック1964よ、もう一度」というノスタルジーに耽り、さらに国や社会の崩壊を促進したという事実は我が国の歴史に刻み込むべきです。

それどころか私は大阪万博2025が決まって例の万博の歌がTVから流れた時、私は絶望感を感じました。もはやこの国は現代に生きてない。「2020年=昭和95年」に生きている国なのだと。令和2年どころか「平成32年」にすら生きてないのです。

 

大阪万博のロゴも決まりましたが別名「コロシテ君」です。あれは皮肉でしょうか?いや、あれが日本の現実の姿なのでしょう。健康と長寿というが希望無き国で長寿を得てもそれは地獄でしかないわけです。

 

残念ながら日本スゴイ系番組も「プロジェクトX」が元祖ですが東日本大震災以後加速度的に広がっていきました。現実は1人当たりGDPが購買力平価換算で韓国にも抜かれ先進国から脱落するという逆の意味での転換点が2020年でした。1964年は日本がOECDに加盟し日本が先進国の仲間入りしたときとは対極的なわけです。日本はクレヨンしんちゃんの劇場版アニメ「オトナ帝国」を本気で実行した恥ずべき国なのです。

 

本当はIT技術が3周遅れであり二段階認証も出来ないほどの遅れた国であり一刻も早くPGやSEを多数養成せねばらないのですがやったことはすべて現実逃避とノスタルジーと自画自賛です。

 

「オトナ帝国」どころか「高齢者帝国」と言ったほうがいいのでしょうが。自分だけ「定年」という安全地帯に逃げ込み、ツケは若者にすべて押し付け今の若者はなっとらんと言ってるのが国民の約40%を占めている60歳以上の高齢者。あげくに昔はよかったと言いながら散財をしてノスタルジーに耽り未来の投資を怠る。

 

残念ですがそれが日本と言う国の現実です。そしてそれは数字にも表れています。

 

【マイナス経済成長時代のGDP:平均-0.09%】

2008年 -1.09%
2009年 -5.42%
2010年 +4.19%
2011年 -0.12%
2012年 +1.50%
2013年 +2.00%
2014年 +0.38%
2015年 +1.35%
2016年 +0.96%
2017年 +1.74%
2018年 +0.81%
2019年 +0.67%
2020年 推定-8.5%

 

2020年通年GDPがどのくらいまで下がるかは予測でしかありませんが、韓国はほぼ0%、中国とベトナムはプラス成長予測と言う事を考えると日本は大負けもいいところです。日本はまともにGDPつまり国富を+1%も年で増やすことが出来ずなにか国際的にトラブルが起きた時は大きく傷を負うという弱体化した国になっております。例えるなら下りエスカレーターを必死で登ろうとしてる国です。

なお2020年の通年GDPは-6.5%と予測を出している機関(特に国際復興開発銀行)もありますが私はそんな数字じゃ済まないと思っております。戦後最悪の廃業者数が確実となった今、そんな数字では済まないはずです。しかも、1次速報値からさらに下方修正される可能性大です。

仮に今年予測通りに-6.5%だったとしても来年がプラス成長である保証などどこにもありません。このコロナ禍はどっからどう見ても来年に沈静化出来るウイルスではございません。よって来年もマイナス成長である可能性大です。つまり2年連続マイナス成長である可能性の方が大きくどちらにしても現実は変わりません。

我が国は「恒常的マイナス成長国」を13年も続けたという国辱的瞬間を味わっています。社会科の教科書には1992年から低成長時代となったと記述されているようですが現実は違います。2008年から恒常的マイナス成長国なのです。そして社会科の教科書にも「日本スゴイ」と言うノスタルジーであふれています。

 

私は勇気を出して言いたい。「もうノスタルジーに耽るのはもう辞めてくれ」と。「バーチャル世界に逃げるのもやめてくれ」と。日本に今必要なのは「敗北したことを認める」事、そしてこの国はすでに「破滅している」ことを認めることです。

 

新国立競技場は日本がノスタルジーに逃げたという歴史的証明をした建築物であろう。アルヴァックスによれば「社会は諸個人を分裂させ、諸集団をたがいに引き離すおそれのあるものはすべて記憶から消し去る傾向」にあることを指摘している。つまりこの黒歴史も無かったことにしてもう一回同じ過ちを繰り返す恐れがある。

誤解を解きたいのだがノスタルジーそのものが悪いと言ってるのではない。ノスタルジーを利用して国ごと逃避することは「罪」であり、罰として跳ね返ってくる行為なのである。国が傾いてるのにこのような体育祭に浪費したという黒歴史は教訓として後世に永久に伝えなければならない。残念ながら人類は愚かな生き物であり、賢くないのである。

なお、東京オリンピック2020は実施しようが中止しようがすでに失敗が確定です。延期と言う時点でもう東京オリンピックは失敗なのです。そして2020年後半の欧州におけるコロナウイルスの猛威を見てるといよいよ2025年の大阪万博の実施も怪しいです。

 

それだけじゃありません。団塊世代が後期高齢者に突入し認知症患者が1200万人とも1500万人になるともいわれております。介護離職が続出し、そして今までフリーターとして親元で歯を食いしばって働いてきた中年フリーターの生活が破綻し、そしてフリーターにもなれなかった中年ニートが200万人単位で社会問題となるでしょう。すべてツケを先送りした現実がいよいよ時限爆弾と言う形で破裂します。その時ノスタルジーに使うお金を高齢者福祉に使っていればとか氷河期世代の正社員採用に使っていればと後悔しても手遅れがこの時点で確定しております。

 

最後に「アベノミクス」も時間を巻き戻そうとしただけの「ノスタルジー経済政策」と言わざるを得ない。単に通貨量を増やすだけではダメなのである。それどころか年金資金や日銀が上場企業の株を買って株価を維持するという行為は過去の栄光しかないゾンビ企業の延命を行っただけでなく新規産業の誕生を邪魔した行為である。それどころか上場企業の大半の筆頭株主が事実上日本国政府になってしまった。これはもはや資本主義失格でありアベノミクスというのは社会主義政策であると言わざるを得ない。我が国の与党は社会主義を糾弾しながら社会主義政策を行ったという指摘もせねばならない。

 

時間は、巻き戻せない。

 

私は当たり前のことをここで言わねばならない。

 

(※このエッセイは2020年10月時点に記述したものであり、各種経済指標の予測値は外れる可能性もあります。ですがそんなに大きく数字が違うことはないでしょう)

2020年10月11日公開

© 2020 lantan2015

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