本厄

山谷感人

エセー

1,284文字

戦っていない、本厄の同志へ即興にて捧げる。

うなりうなされ、夏の夜。

もう十年程、体調的に所謂、心地好く健康な朝の目覚め、を味わっていない私ではあるが、本年度、本厄の現況は如実に酷い。

吐き気、倦怠、頭痛、その他諸々。男性の更年期障害かと思われるが、まあ一度、有り得ない数値を叩きだし肝臓を壊している身な故、長年の自業自得な結果でもある。

それならば、酒を止めたまへ、と簡単に云う方もいるかも識れない。無論、それはそうだ。原因の八割はソコだ、と自身でも判っている。然し、それは無理だと考えて、他の毒を制すべしと手始めに、まずは二ヶ月前に煙草とサヨウナラをした。確かに理不尽な嘔吐感は減った。なれども、胃痛を感じるようになった。そうして寝床で「お前の口臭が以前より増した、増した。臭くて寝れぬ」と騒ぐようになった妻が、己の安眠の為に調べたトコロ、ニコチンやタールで誤魔化していた虫歯が正体を現したのだ、寝ている時、お前の歯周の血が臟に流れるからだ、と告げられた。本末転倒とは、この事を、云う。まあでも、一度、止めたのでもう、狼煙を口から発する心算は、ない。と云うか、また吸い始める、なる気力も面倒である。

酒。突き詰めれば、ひつこく述べるようにソレであろうが、私は、止める気はない。何故なら、その前借り的な、或る漫画で云う「元気玉」みたいな気概、パッションだとしても、その呑んだ魔法で私は全ての関係を造ってきた。無論、その所為で、壊してきたモノも多数であるが、それはハナから判り合えない違う人種の人達であった、と開き直っている。今の妻と出逢った時、僕は酔っていた。離れがたい親友と出逢った時、僕は酔っていた。旅をしている時、僕は酔っていた。読書をする時、僕は泥酔していた。この雜文にしろ、何かをする時、僕の利き手の左側には、ビアがある。

後輩が経営しているコンビニエンスストアに誘われ、日銭を貰っている現在。経営者は「山谷さん、今日も酒、臭いですね」と笑う。使っている、大体、私が居る時間帯に働く、少し脳が足りぬ女性アルバイトは「山谷さん、金銭を貸して下さい」と明るく私に、せがむ。「いいよ、おいくら? 何なら店ごと渡そうか?」と私は、酒の勢いで、かぶく。三人、キャッキャと微笑む。

帰宅して寝ていると妻が帰って来る。「また、寝ているね」に対し私は「人間さ、生きている内は頑張れって云うけど、この猛暑の中、体調不良の中、こうしてクーラーの下、横になっている極楽は、生きていないと出来ないんだよ。死んだら無だよ。蟻やゴキブリにも、天国や地獄は有る論派かい?」とクソみたいな台詞を、延々と語る。妻は「取り敢えず一回、病院へ行け。まずは歯医者に」と言葉を吐き、寒いとエアコンを止める。私は「ふふん」となげやる。本厄の体調不良とやらも、ここまで来たら最早、芸術である。

然し、うなりうなされ、夏の夜。

頑張っていない、本厄の同志に、これを捧げ、どう取られようが夏の送りモノと、しておきたい。

追記・ケイタイでの即興な故、頭空けならずや誤字や脱字、脈略の無さなどは、クレームは受け付けぬ。グッドナイト。

2017年8月12日公開

© 2017 山谷感人

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